[媚薬の力で13回セックスする本]



勇ヴィク本
A5/40P/R-18
夏〜秋口のシーズン開始前に、媚薬の力を借りて13回ノーカットでセックスする話です。13回全て体位違い、特殊そうなのはトイレで強制排尿と、S字結腸責めがあります。
→※完売しました


 夕食後、仏壇に手を合わせていると真利がやってきた。長い日差しが差し込む仏間は、ひぐらしが鳴く声がもの悲しく聞こえている。畳を踏むトスッという音と、タバコのにおい。姉はぷは、と煙を吐き出すと、ふすまによりかかって首を傾げる。
「本当にふたりで大丈夫?」
 明日から二日間、両親と姉、そして姉に懐いているマッカチンが温泉旅行にでかけることになった。家族経営している旅館のメインボイラーの故障で、修理が来るまでの二日間、どうしてもゆ〜とぴあかつきを閉めないといけなくなったからだ。それならばとあっという間に大分県の有名温泉地、湯布院の高級宿を押さえた真利は、もしかすると毎日働く両親になにかプレゼントをする機会をずっと狙っていたのかもしれない。そういったことに一切気が回らない末っ子長男である勇利は、その旅行にも「練習がしたいから」と同行を断り、せめて料金を半分出すとこっそり姉に言うことしかできなかった。
(まあ、断られたけど……)
「たった二日やし、練習しとったらあっという間やん」
「まあ、アンタはいいけどさ」
 ふと後ろを見た姉は、居間のスペースで大の字になって眠る勇利のコーチを呆れた視線で見下ろしている。
 ああ、と勇利は呟いた。
 今年の四月、突然この長谷津に押しかけコーチとしてやってきたヴィクトル・ニキフォロフ。彼は先ほど温泉に入りながら飲酒し、風呂上りにカツ丼を食べながらまた飲酒して、今は深く眠っている。ゆ〜とぴあかつきの深緑色の館内着を肌蹴けさせ、折り畳んだ座布団を枕にしてそれはもう無防備に。
「平気よ、ヴィクトルが行きたがっとたんに、僕の都合で行けんくなっしもったんは悪か思っとるけど」
 温泉旅行という言葉に目を輝かせていたヴィクトルだが、グランプリファイナルのアサインが出て、今年はまず地方大会に出ないといけない勇利は、二日間氷の上に乗れないなんて不安で仕方がないと訴えた。続けて、だからヴィクトルは気にせず温泉行っていいよ、とも言ったのだが「勇利が残るなら、コーチである俺も残る」と言って憚らないので、結局ふたりで留守番をすることになった。だが未練があるのか、先ほども愛犬マッカチンの柔らかい毛に顔を埋め、「明日からの旅行、すごく楽しそうだねえ。君がうらやましいよ」と言って絡んでいた。
「そういう意味じゃないんだけどね……」
 姉のため息の理由が分からず首を傾げるが、母に呼ばれると「今行く」と叫んで食堂の片付けに行ってしまった。
(何なんだろ)
 よくわからないと首をかしげつつ、いなくなってしまった愛犬への祈りを終わらせると勇利は立ち上がった。隣室で眠るヴィクトルの隣へしゃがみ込み、肩をゆする。
「ねえ、ここで寝たら風邪引くよヴィクトル。部屋戻ろ?」
「……うぅん、ゆーり、運んで……」
「無理だよ……」
 自分よりも身長が高く、しっかり筋肉をつけた成人男性を持ち上げるなんてできっこない。なのにヴィクトルは、期待するように長すぎる睫毛をふるりと持ち上げ、両手をこちらに差し出してくる。瞳のみずいろが揺れて、勇利は魅入られるという言葉以外では表現できない感情に支配された。まるで絶対的な存在の獲物になったように、ふらふらとヴィクトルの腕の中に体をおさめる。
「……やっぱり、無理だ」
 背中に手をまわして持ち上げようと奮闘したけれど、ぐったりと弛緩した体はびくともしない。ヴィクトルは酔っているからか笑っているだけで全く協力してくれないし、と内心で悪態をついたところで、こちらと旅館部分を繋ぐ玄関の扉が開く音が聞こえた。慌てて勇利は体を起こし、誰にともなくわめき立てる。
「ああ、お母さんかなっ? 僕、手伝ってくる!」
 不満げな顔をしたヴィクトルの顔が脳裏に焼きついたが、勇利はそのまま身を翻し、居間を飛び出した。


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「ついたよヴィクトル、って、あれ。なんで僕の部屋……」
「ゆぅり……」
「えっ、うわっ!?」
 いきなり首に腕を回され、そのまま引き倒された。ヴィクトルの体の上に倒れこむ形になると気づき、とっさにその銀髪に手を回す。どさっと音を立てて、軽い衝撃が走った。勇利はヴィクトルが頭を打っていないか心配して覗き込む。ずれた眼鏡を無意識に直した瞬間、大きな手が勇利の頬を掴んで、引き寄せられた。
「んぶっ!?」
「ん……っ、ふ、俺の仔豚ちゃん、もうちょっとセクシーに鳴いてよ、ふ、ぁ……」
 深いキスの合間にそんな風に煽られたら、勇利はイラつきと共にがっついてしまう。コーチングがうますぎる恋人にあっさりと熱を移され、勇利は気づいたらヴィクトルの両手首を掴んで畳に縫いつけ、息ができなくなるほど深く口づけていた。
「あっ、んんっ……ふ、ぁ……ゆぅ、り……」
「ん、ぅ、ヴィク、トル、」
 キスに溺れているヴィクトルの甘い声に耐え切れなくなった勇利の手がそろりと動き、ヴィクトルの肩や腰のラインを撫でる。たったそれだけの愛撫にもびくびくと身体を震わせるヴィクトルはどこか変だった。
(ああ……ヴィクトル、えっちで可愛い、けど何かいつもと違う、どうしたんだろ……)
 必要以上に身体をすりつけてきている気がしてヴィクトルの股間に手を滑らせてみると、そこはもう射精してしまったんじゃないかと思うほど濡れていた。館内着越しに触れているのに、ぐしゅりと濡れた音が響く。
「……ヴィクトル、もう出しちゃった?」
「ち、がう、まだ……でも、」
 勇利の声がいぶかしむようだったからか、ヴィクトルは恥ずかしげに頬を染めて首を振った。けれど大量の先走りを零してしまうほど感じているのは事実で、これ以上がまんできないと言うように、勇利の手に性器をこすりつけてきた。勇利の手で自慰をするような行動に、勇利はへたった声を上げる。
「ヴィクトル、だめだよ……」
「何で、だめ?」
「ローションもゴムも、ベッドだし。移動しよ?」
 すぐそこだよ、と視線で示すが、ヴィクトルはいやいやとわがままな子供のように首を振った。
「やだ、待てない、今ここでして」
(何てことを言うんだこのリビングレジェンドは!)
 勇利はそう叫んでしまいそうなのを必死に堪え、畳に肘をついた格好でぷるぷると震えた。恋人が可愛すぎて耐えられない。勇利はすぐさま館内着のズボンの中に手を入れた。べちょべちょに濡れたヴィクトルの性器を撫でて指を濡らして、そのままおしりに滑らせる。そこはヴィクトルの身体が弛緩しているせいか、やけにあっさりと勇利の指を受け入れた。
「あっ……!」
「ヴィクトル、我慢してね。一緒にイきたい……」
「っ、ん、うん……っ」
 こくこくと頷くと、ヴィクトルはなぜだか自らの手で口を塞いだ。
「どうして口塞ぐの? 今日誰もいないんだから、声聞かせてよ」
 空いている方の手でその拘束を解くと、ヴィクトルはぎゅっと唇に力を入れた。赤くなった唇がいやらしい。
「あ、だめっ、こえ、聞いてたら…、なん、かっ、変、になる……っ」
 そんなことを言われたらこちらも我慢ができなくなる。そう言いたいのを堪えて、勇利は指を一本深いところまで差し込んだ。やっぱりいつもより熱い。
「わ、熱いね……」
 前立腺の場所はもう覚えている。すぐにそこを弄ると、ヴィクトルは身体を細かく痙攣させた。
「ああっ、ゆーり、だめ……っ、そこあんまりいじんないで、」
「イっちゃう?」
「っ…うん、だめ、」
「我慢して」
 勇利はヴィクトルの手を自らの股間に移動させ、性器を握りこむように指示する。
「ほら、こうして自分で根元しっかり押さえて……」
「っ、ん、うん……」
 そして愛撫を再開させ、肌や乳首を撫でながら後ろを解す。身体を曲げて頬や目尻に口づけていると、すぐふにゃりと身を任せてくる。ヴィクトルは前戯でていねいに愛撫されるのが意外と苦手らしく、いつも居心地悪そうにしている。けれど今日は従順だし、素直に声も上げていた。
 指もすぐ二本、三本と増えて、ぐちゃぐちゃとかき回すと甘い声が上がった。
(やっぱり、いつもと様子が違うな……)
 そう考えつつも、勇利は目の前の痴態に興奮しきってしまって、だんだん考えが曖昧になっていく。
(ああ、まああいいや。ヴィクトルが可愛くてエッチなのは、むしろご褒美……)
 館内着を着崩して、開けっ放しの襖側から入ってくる光のお陰で、ヴィクトルの白い肌がちらちらと見えて性感を煽られる。むずかるように身じろぎするたびに見える場所が変化して、勇利はどこもかしこも触りたくなってしまう。
 腹が見えたのでそこを撫でていると刺激が性器まで伝播するのか、ヴィクトルが目だけでいやだと言った。だが、腹筋の隆起とすべすべの肌質に夢中になっていて勇利は気づかない。ヴィクトルは逃げるように身を捩って、両手で性器を握り締めたままうずくまるようにうつ伏せになりかけた。
「ヴィクトル、後ろからしてほしいの?」
 勇利はそれを勘違いし、三本の指を一気に引き抜くと、ヴィクトルの肩を押して太腿に腕を回して持ち上げ、膝をつかせる。上半身は寝そべらせると、薄い館内着に包まれたラインがしっかりと出てしまっている尻だけが勇利の目の前に見えて、あまりにもいやらしかった。
「ちが、……くない、して、勇利ぃ……」
 指を抜いた喪失感からか、ヴィクトルは肩を軸にして必死に振り返ってねだる声を上げる。涙が浮かびそうに揺れる青に吸い寄せられ、勇利はそのまなじりに唇を寄せた。長い睫毛を唇で撫でて、ちゅっと音を立てて肌を吸う。
「ん、ゆうりぃ……」
 甘い触れ合いをすると、ヴィクトルは嬉しそうに笑みを浮かべる。勇利は不意に見せてくれるそういう表情にも弱くて、すぐに我慢ができなくなってしまった。身を起こして、はーっと熱い息を吐いた。
「ヴィクトル、いれるね……」
「うん、ぁ、……っ、」
 館内着のズボンをずらすと、すぐに尻が露になる。白くなだらかで、薄く筋肉が乗ったそこ。風呂上りに下着をつけない癖を咎めることを忘れるくらいに、入れることしか頭にないことに気づいていない。指であわいを弄ると、くちゅっと音が鳴った。ゴムをつける配慮も頭から飛び、勇利はスウェットをずらして下着の中から性器を取り出す。そこはすでに先走りを零して、びっくりするほど硬くなっている。ヴィクトルとの交わりの中で少し色づきはじめたそこは、それでもまだ濃いピンク色だった。ヴィクトルは、そういうところが可愛いなんてヴィクトルは以前言っていたけれど……。
(でも、ヴィクトルのは薄いピンクなんだから、僕のよりよっぽど可愛い色してるくせに……)
「ふーっ、ヴィクトル、いくよ……?」
 根元を持ち、ヴィクトルの尻の割れ目にゆっくり擦りつけると息を飲むような音が聞こえた。そのままぐっと腹に力を入れ、ヴィクトルが息を吸ったタイミングで勇利のものよりも小さな窄まりに、先端をめり込ませた。
「あっ……!」
 ヴィクトルは息を吐くことを忘れて身体を硬直させる。その背を撫でて呼吸を思い出させ、そのままヴィクトルに合わせてゆっくりと奥へと潜り込もうとするのだが……。
(ヴィクトルのなか、いつもより狭くて、熱くって、やばい……)
 交わること自体はそう久しぶりでもないのだが、ヴィクトルが締めているのか、様子がおかしいせいなのか、無駄に締めつけられて先に進めない。亀頭が入ったところで動きを止めた勇利を、ヴィクトルは頬を畳につけ、目だけで振り返ることでいぶかしむ。
「ヴィクトル、ちょっとキツい、んだけど……」
「え、っ、…わかん、ない、そうなの……?」
「うん……、ここ、緩めて」
 勇利は少し前かがみになり、ヴィクトルの性器の根元の辺りを指で撫でる。ずっと根元を戒めているヴィクトルの手は、先走りでぐちゃぐちゃに濡れている。手の中からはみ出している性器をついでに指先で撫でると、肩で支えていた身体が崩れそうになる。
「あぁっ…! だめ、ゆーりっ」
 慌てたような声を聞いてしまうと、勇利の中にある嗜虐心がふつふつと沸いて出てきてしまう。勇利は無言で身を起こし、中途半端に入り込んでいた性器を、ぐっと押し進めた。
「ああっ……!」
 やばい、がまんできない、もっと、と勇利の頭の中で勝手に言葉が回っている。あられもないポーズで、畳に頬をつけて震えているヴィクトルを見下ろしているともう止められない。
「あ、だめっ…、も、ぁぁっ! 、ゆうり、ゆうりっ……!」
 根元を戒めていてももう解放の限界なのか、ヴィクトルの声は加速度的に甘くなっている。
「ヴィクトル、もうちょっとだから、我慢して……」
 勇利自身もあまり長くはもたなそうだった。ふたりの先走りで湿ったなかを、何度か揺するだけであっという間に達しそうになる。
「あ、だめだ、僕もうっ…全然もたない。ヴィクトル、手、離して……っ」
 ぐっと深く突き入れて、ずるずると引き出す動きだけでもうだめだった。前立腺や奥を責めることも忘れ、ただただ熱くてきつくて気持ちいい中を感じるように性器を行き渡らせる。ゆさゆさと揺らすと、ヴィクトルの膝が畳に擦れてずりっ、ずりっ、と音を立てた。
「ぁ、ゆーり、っ、も……ぉ……あぁぁっ!」
 ヴィクトルは根元を掴んでいた指を緩めたのか、身体が弛緩する。自ら扱きはじめたのか、後ろが伸縮してやわやわと勇利のものを食んできた。柔らかく包み込まれる気持ちよさに、勇利の腰はぶるりと震える。
「ヴィクトル、僕も、っ……んんっ〜〜〜っ」
 声を上げてヴィクトルが先に達し、追いかけるように勇利も精液を中に吐き出した。どくっ、どくっ、と息をするたびに零れる熱い液体。ヴィクトルはそれにも感じいって、背中をぐっと丸める。館内着越しに背骨が浮いていて、勇利は無意識に手を伸ばしてそこをなぞった。
「ひゃっ! ゆぅり、まって、まだイってるから……っ」
 我慢していた分長めの放埓に息を乱しているヴィクトルに対し、勇利は短く吐き出しただけだったからまだ性器は硬いままだったし、もっとヴィクトルの中に出したかった。だがこのままここでしていたらヴィクトルの膝や頬が、畳に擦れて傷ついてしまう。
 勇利は深く息を吐くと、硬いままの性器をそっと抜き出す。支えを失い、ヴィクトルは横向きにずるずると倒れ込んだ。左手に握りこまれている性器は精液を吐き出してもなお力を持っているが、それよりかなり出したようで受け止めた手もぐちゃぐちゃに濡れているのがあまりにも卑猥で、唾を飲み込む。
「あぁ、っ……ゆぅり、ばか……」
 急に抜かれたのが刺激になったようで、ヴィクトルは身をぎゅっと縮めて指を唇に押し当て、後引く快楽に耐えていた。勝手な振る舞いにキッと睨まれるが、それは煽っているようにしか感じられない。勇利はヴィクトルの腕を掴んで、強引に引っ張り上げる。腕の中に抱きとめると、ヴィクトルは驚いた顔になる。
「えっ、何……っ」
「ベッドいこ、もっかい」
 言葉少なだったが、それだけで「まだしたい」とヴィクトルには伝わっただろう。立たされたヴィクトルはよろよろとした足取りだったが、ベッドまでは立った二歩だ。抱き締めたまま倒れこむようにベッドへ押し倒す。ヴィクトルの左足を曲げようとして引っかかった邪魔なズボンを脱がせ、後ろに放り投げた。ぐっと膝を曲げて上に押し上げると、角度を持った性器がたわむ。
「ヴィクトル、もいっかいね、させて」
 汗をかいて眼鏡が濡れているのも構わずに、勇利は額の汗だけを手の甲でぞんざいに拭って、覆いかぶさった。左手で性器を掴んで再び貫く。何の引っ掛かりもなく奥まで入り、勇利は再び頭がぼうっとするほどの快楽に包まれる。
「ああ、きもちい……」
「っ、ゆうりっ、」
 ヴィクトルは顔では睨んでいるものの、すぐ背中に手が回ってきて、ぜんぜん噛み合っていない。べとべとした手でTシャツの肩口を掴まれぐっしょりと濡れてしまったが、どうせすでに汗で色が変わるほど湿ってしまっている。関節が柔らかいお陰で上がったままキープされている左足の膝にキスをして、そのまま両手をヴィクトルの顔の横につき、腰を揺さぶった。
 あつくて柔らかくて、どこまでも深く感じて、勇利はすぐのめりこんでしまう。ふたりの腹筋に擦れたヴィクトルの性器はもみくちゃにされて、すごく硬くなっている。びゅっびゅ、と先走りなのか精液なのか判断がつかない液体を断続的に零していた。
「あ、あ、あ、っ……ヴィクトル、気持ちよか……」
「え、なに? いま……っ」
 気が緩んでつい日本語が出てしまうと聞き返された。湿った髪を額に張りつかせて、無防備に首をかしげているのがたまらない。肘をついて更に顔を近づけ、耳元に英語で吹き込む。
「『気持ちいい』って言った」
 囁いたあと、ふーっと息を吹きかけてみたら、ヴィクトルはびくんっと身体を揺らした。
「っ!! ゆーりっ!」
 怒られる前に顔を上げて、ぐっと奥を突く。先ほどはヴィクトルのいいところを擦ることができなかったので、勇利は腰を引き、中ほどにある前立腺を切っ先で何度も擦った。
「あ、ぁっ、や、…そこばっかり、ぁぁっ!」
「でも、気持ちいいでしょ?」
「ん、んっ、うん…っ、気持ちいい! ゆうりぃ……」
 前立腺を愛撫していると、柔らかく膨らんだものでカリの部分を刺激されるので、勇利も気持ちいい。
(っていうか、またすぐイっちゃうかも、やば……)
 初めてこういった交わりを知ってからまだ二月も経っていない。こういうことに積極的なヴィクトルの誘いもあってそれなりに数をこなしているからリードは難しくなくなったが、我慢するという一点において、勇利はまだまだ初心者だった。
「ぁ、ヴィクトル、もっかい出して、いいっ?」
「……ん、いいよ」
 快楽に染まっているヴィクトルの顔を見ながら気持ちよさに溺れるのはたまらなく良い。更に、そんな風に優しく許されてしまったら、勇利はもう我慢なんて言葉は完全に忘れ去ってしまう。
「あ、っ、ヴィクトル、ヴィクトル、っ、」
「ゆぅりっ! もっと、して、強くして……っ」
 引き寄せられ、ぎゅっと抱きつかれる。太腿で腰を固定されて、ぐっぐっと奥を突く格好になったとき、勇利は絞られるような感覚に一瞬気が遠くなり、次の瞬間にはもう射精していた。
「んんん、っ、〜〜!!」
「うぁ、っ、なか、あついの出てる……っ」
「そういうこと言わないでっ……」
 煽るような言葉に翻弄されて、勇利は頭がぐらぐらするような開放感に身を任せる。だが、どうやらヴィクトルを置いてけぼりにしてしまったようだ。
「あ、ゆーりっ、俺も、イきたいよ……」
 涙声でハッとなり、勇利は少し身を起こす。
「ごめ、ん…っ」
 目の前がチカチカしてよく見えないけれど、ヴィクトルの声に従って、手を下にずらした。ヴィクトルのものはもう数度扱いたら達せそうなくらいに張り詰めている。勇利は柔らかく握りこみ、すぐにぐっと掴んで何度か扱く。
「あ、ぁぁっ〜〜!!」
 ヴィクトルは少し掠れた声を上げて達した。先ほどの放埓が長かったからか、二度目は少し零れるのみだったが、気持ち良さそうに頬をシーツに擦りつけてふうふうと息を吐いている。